TiMidity オプション詳解

オプション説明
-4このオプションは、 CSPLINE_INTERPOLATION または LAGRANGE_INTERPOLATION を定義してコンパイル したときのみ有効です。このオプションを指定すると、常に 2 点間補間 (Linear interpolation) を行ないます。品質は下がりますが、速度は向上します。
 -An音量を指定します.デフォルトでは n=70 です. 大きな値を指定するほど大きな音になります.1~800 の値が有効です.
 -aアンチエイリアシングを有効にします.
低いレートで再生したときに,折り返し雑音と呼ばれる 不自然な成分が含まれることがあります.-a オプションで起動することでこの 不自然な成分を取り除くことができます.
 -Bn音源にデータを書き込む時の分割数を指定します. 0~1000 の値が有効です.このオプションは Linux, FreeBSD, Windows のみで有効です.
 -Cn制御レートを指定します.TiMidity では, エンベロープやトレモロなどの音量計算を 1 サンプル毎行うのではなく, 複数のサンプルをまとめて計算することで高速化をはかっています. n サンプル毎に,エンベロープやトレモロの音量が再計算されます. n の値を小さくすればするほど音質が良くなりますが,その分 CPU パワー を必要とします.n は 1~255 までの値を指定することができます. デフォルトでは 1 ミリ秒に相当するサンプル数となっており、再生サンプルレート によって変わってきます。(例えば -s 44100 の時は -n 44 と指定されたものとして 処理される)
 -cfileTiMidity の設定ファイル file を読み込みます.TiMidity のデフォルトの設定ファル (通常は /usr/local/share/timidity/timidity.cfg) を読み込んだ後,file が読み込まれます.
 -Dn
-D-n
n チャネル目をドラムチャネルにします. -nとすると n チャネル目がドラムではなくメロディーチャネルに することできます.
-ddirダイナミックリンクインターフェース モジュールがインストールされているディレクトリを指定します. (通常のデフォルト値は /usr/local/lib/timidity となっています)
 -eTiMidity のプライオリティをあげます.Windows のみで有効です. このオプションを有効にすると,TiMidity 以外のプログラムがほとんど動作 しなくなります.
なお、UNIX 版では timidity.h の DANGEROUS_RENICE を定義し、再コンパイル して Set User ID プログラムとしてインストールすれば、プライオリティの 高い (nice 値が小さい) timidity を作成することができます。
-EmodeTiMidity の拡張モードを指定します(複数指定可). 主に演奏時の機能に影響を与えます. 以下のオプションが指定できます.
mode説明
-Ewモジュレーションコントロールを有効にします.
-EWモジュレーションコントロールを無効にします.
-Epポルタメントコントロールを有効にします.
-EPポルタメントコントロールを無効にします.
-EvNRPN ビブラートを有効にします.
-EVNRPN ビブラートを無効にします.
-Esチャンネルプレッシャーを有効にします.
-ESチャンネルプレッシャーを無効にします.
-Et全てのテキストメタイベントをトレースします.
-ET特定のテキストメタイベントをトレースします.
-Eo同一音の重複を許します.
-EO同一音の重複は許しません.前の音は消音されます.
-EmHHデフォルトのマニュファクチュア ID を 2 桁の16数 HH で指定します.
-Emgmデフォルトのマニュファクチュア ID を 0x7f (GM) にします.
-Emgsデフォルトのマニュファクチュア ID を 0x41 (GS) にします.
-Emxgデフォルトのマニュファクチュア ID を 0x43 (XG) にします.
-EMHH指定されたマニュファクチュア ID のモードで動作します。
-EBn全てのチャネルをバンク n で演奏します.
n を省略するとデフォルトの動作に戻ります.
-Ebn全てのチャネルのデフォルトバンクを n に 設定します.Bn と異なり,演奏中のバンクセレクト命令を 受け付けます.n を省略するとデフォルトの動作に戻ります.
-EFoptsエフェクト用、以下参照
-EFdelay=lLeft delay
-EFdelay=rRight delay
-EFdelay=b左右を時々入れ替えます。ヘッドホンで聞くと、 頭の外から音が聞こえて来るので、気持悪いです。お試しあれ(^^)
ヘッドホンで聞く場合、音の方向は、左右の音量ではなく、遅延や周波数特性 で決まるという性質を狙ったものです。遅延だけでもかなり効果高いです。
実は、-EFdelay=b,25 のようにして、delay を msec 単位で指定できたりもします。
-EFdelay=0Delay エフェクトを無効にします。(デフォルト)
-EFchorus=0コーラスエフェクトを無効にします。
-EFchorus=1コーラスエフェクトを有効にします。(デフォルト)
-EFchorus=1,level全てのチャネルにコーラスエフェクトをかけ、レベルを level (0..127) で統一します。
-EFchorus=2Eric さん考案、サラウンドコーラスモード。これはお勧め、お試しあれ。
-EFchorus=2,level一応、レベルも設定できるが、どのように 動作するかは、ちょっと正確に把握していないので省略
-EFreverb=0リバーブエフェクトを無効にします。
-EFreverb=1リバーブエフェクトを有効にします。(デフォルト)
-EFreverb=1,level全てのチャネルにリバーブエフェクトをかけ、レベルを level (0..127) で統一します。
-EFreverb=2 実は、-EFreverb=1,level の軽いバージョン。level は 70 くらいかなぁ?
-EFns=level ノイズシャーピングフィルターを使用します。デフォルトでは無効になっており、 level は 0 です。0 から 4 の値が有効です。 本機能は、16 bit PCM から 8 bit PCM に変換する際に発生する量子化ノイズ (小さな音の時に聞こえるミーィンって感じの音)をホワイトノイズに変換する機能 です。level が高い程、量子化ノイズが減りホワイトノイズが増えます。 なお、当然ですが、16 bit PCM 出力の時には、本オプションは意味ありません。 (無視されます)。A-law, U-law も 8 bit ですが、この形式では 16bit->8bit 変換時の量子化ノイズはほとんど聞こえない(理論的に 13bit 分の精度があり、 通常の人の耳では量子化ノイズを聞き分けられない)ので、 同様に本オプションは無視されています。
 -Fこのオプションを指定すると, Note ON イベント時に Panning を更新します。デフォルトでは、Panning イベント時 に、Note ON 状態の Panning を更新しますが -F オプションにより、Panning イベント時には更新しないで、次の Note ON イベント時まで更新を延期します。 なお、オリジナル版 TiMidity では意味が逆になっていますので注意してください。 なお、このオプションはトグルオプションになっており、もう一度 -F オプションを 指定するともとに戻ります。
 -fこのオプションを有効にすると, エンベロープの変化時間が半分になり、TiMidity が多少軽くなります。ただし, 音の立ち上がりとリリース時間が短くなってしまい、品質が落ちます。
-gsecSound-Spectrogram を表示する Window を開きます. このオプションは X Window がサポートされている環境のみで動作します. Sound-Spectrogram は声紋のようなもので,スペクトラムの時間変化を 表現したものです.
 -hオプションの説明を表示します.
 -In
-In/c
デフォルトの楽器番号を指定します. デフォルトでは n=0 (通常はピアノ) となっています.改良版では, チャネル毎にデフォルトの楽器番号を指定でき,チャネル番号 cnに続けて「n/c」と記述します.「/c」が 省略されると,全チャネルのデフォルトの楽器番号が設定されます.
 -imodeユーザインターフェースを指定します. 環境によって利用可能なインターフェースが異なります. 以下の mode が存在します.
-id dumb interface
-in ncurses interface (☆)
-is slang interface
-ia X Athena Widget interface (☆)
-ik Tcl/Tk interface
-im motif interface
-iT vt100 interface (☆)
-ie Emacs interface (☆、Emacs 上から M-x timidity により起動されます)
-ir TiMidity サーバとして起動 (☆)
上記オプションに続けて(スペースを空けずに), 以下の文字列を追加することができます(複数指定化).
v 冗長表示のレベルを上げます.
q 冗長表示のレベルを下げます.
t トレース表示の on/off (トグル).
l 最後の曲を演奏し終えたら、最初の曲から演奏し始めます。(☆, 一部のインターフェースのみ)
r 引数に指定したファイルの順序をランダムにかき混ぜます。(☆)
s 引数に指定したファイルの順序をソートします。(☆)
-jこのオプションを有効にすると, 演奏しながらパッチファイルを読み込みます. パッチファイルの読み込み中は処理が一時停止するので、音が途切れることがあります。
 -LdirTiMidity のサーチパス dir を追加します.
-Mname 演奏用の PCM ファイルを指定します。name に auto を指定すると、 *.mid というファイルに対し、*.mid.wav または *.mid.aiff ファイルを チェックし、もし存在すれば、そのファイルを演奏します。直接演奏する ファイル名を指定することもできます。 PCM ファイルの形式は 16bit で timidity 起動時のサンプルレートと 同じでなければなりません。
-mmsecサステイン時間を msec 単位の時間で指定します。サステイン状態のままで演奏する MIDI ファイルが 存在します。ところが、GUS/patch において、サステイン状態のままでは 音は永遠になりっぱなしになります(GS, XG だと十分音が小さくなった 時点で消えるみたいだけど)。そこで、-m オプションでサステイン状態の 最大時間を指定します。-m3000 ~ -m5000 くらいがお勧めです。
 -Omode出力モードやフォーマットを指定します. 以下の mode が有効です.
-Od オーディオデバイスに出力します(デフォルト).
-Ow Windows WAV ファイルを出力します.
-Or ヘッダのないオーディオのデータ部分のみを出力します.
-Ou Sun Audio (au) ファイルを出力します(☆).
-Oa AIFF ファイルを出力します(☆).
上記オプションに続けて(スペースを空けずに), 以下の文字を追加することで出力フォーマットを指定できます(複数可).
8 8-bit サンプル精度
1 16-bit サンプル精度 (数字のいち)
U U-Law 符合化方式
A A-Law 符合化方式 (☆)
l linear PCM 符合化方式 (英小文字のエル)
M モノラル
S ステレオ
s 符合付き整数
u 符合無し整数
x バイト反転
 -ofile出力ファイル名、またはデバイスファイル名を指定します.
 -Pfile全ての楽器を file を用いて演奏します.file には GUS のパッチファイルを指定します。
 -pn最大同時発音数を指定します.
-pna
-pa
処理が重いときに、一時的に最大同時発音数を下げる機能を有効/無効にします。 デフォルトは有効になっており、-pa オプションで有効/無効を切替えられます。 -pna とすると、最大同時発音数も同時に指定できます。
 -Qnn チャネル目を演奏しないようにします.
-Rnエンベロープリリース を修正して音響効果を得ます. 0~2 の値が指定可能で,nの値によってその効果が異なります.
-Ssizeリサンプリングキャッシュの大きさを バイト数で指定します.TiMidity++ では、 頻繁に用いられるサンプルを解析し、予めリサンプリングしておくことで 高速化を図っています。ただし,ビブラートやピッチベンドなどによってピッチが 変化するサンプルはキャッシュされません.0 を指定すると全くキャッシュ しません.デフォルトでは n=2097152 (2M) となっています.
 -sfreq再生サンプルレート (Hz または kHz) を指定します.4~65 の場合は kHz、4000~65000 の場合は Hz として 解釈されます。それ以外のレートはエラーとなります。
-tcodeテキストの出力文字コードを指定します. 以下の code が指定可能です(大文字小文字は区別されません).
auto  LANG 環境変数によって,コードが決まります.
ascii ASCII コード以外の文字をピリオド(0x2e) に変換して出力します.
nocnv 出力文字コードを変換しません.
euc  EUC コード(japan) で出力します.
jis  JIS コードで出力します.
sjis  SJIS コードで出力します.
 -Uこのオプションを有効にすると,毎曲, パッチに割り当てられていたメモリを解放します. デフォルトでは一度読み込んだパッチデータは開放しないので、 数多くの曲を連続して 演奏していると、どんどんメモリを浪費していきます。(最終的に 50 M くらいになる場合もある) メモリを十分搭載しているマシンであれば問題ありませんが、メモリが少ない マシンの場合は -U オプションを指定して、毎曲、ロードしたパッチを開放 することをお勧めします。
-WmodeMIMPI の WRD ファイルのトレース表示する インターフェースを指定します。以下の mode が有効です.
-W- WRD ファイルを無視します(デフォルト).W と '-' にスペースを 入れないことに注意すること
-Wd WRD コマンドを表示します.
-Wt vt100 や kterm に基づいた制御コードを用いて、WRD のテキスト 表示の部分を表示します。
-Ww Windows のコンソールに基づいた制御コードを用いて、 WRD のテキスト表示の部分を表示します。
-Wx X Window 版です。
-WRopts1,opts2,...MIMPI の WRD ファイルに関するオプションです。以下の opts が指定可能です。
-WRd=level MIMPI のバグエミュレーションレベル を指定します。以下の値を取ります。
  0 MIMPI のバグをエミュレーションしないで規格通りに忠実に WRD をトレースします。@WAIT 命令によって時間をさかのぼるような WRD も、指定した時刻通りにタイミングを合わせます。
  1 既知のバグのみをエミュレーションします。
  2 バグらしい部分までもエミュレーションしますが今までタイミングの あっていたものがずれてしまうことがあります。
  3 以上
    開発用に設けたレベルで、一部の特定の WRD のみに対象を絞って タイミングを合わせます。
-WRf=filename WRD ファイルが見つからない場合のみ、 指定した filename が WRD ファイルとして用いられます。
-WRF=filename 常に指定した WRD ファイル filename が用いられます。
-WRp=path @MAG, @PLOAD のデフォルトパス path を指定します。
-wmodeWindows 用の拡張モードのオプションです. 以下の mode が有効です.
-w r rcpcv.dll を使用します.
-w R rcpcv.dll を使用しません(デフォルト).
-xstr指定した文字列 str で設定を行います.*.cfg ファイルに書くべき設定内容を直接コマンドライン上 から記述できます。例えば
-x'bank 0\n0 violin.pat'
とすると 0 番をバイオリンにすることができます.
(\n は改行を表します。bash とかからなら、直接改行してもよいです)
-Zfile周波数テーブルを file から 読み込みます。

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